station-6 [station(短編)]
はじめから読む
みんなと一緒でもいい。とにかく、賢二と同じ時間を共有する。
仲間達は、暗黙の了解でいつも集まってくる。そこの中に賢二も含まれていて、特に約束をしていなくても、賢二と会えた。
二人が約束をするのは、夏休みとか大学に来なくていい時くらいだった。
毎日、いつも賢二と一緒にいる志保に、ゼミの先輩やいつも集まる仲間達以外の友達はきまって、「束縛しすぎじゃない?」だとか「束縛されて嫌にならない?」と聞いてくるのだけど、志保は全くそうやって聞かれる意味がわからなかった。
毎日一緒にいても、それは自然に遭遇することがほとんどで、約束でもなんでもない。友達通しいつの間にか習慣になっていることを授業に出るのと同じように繰り返していただけだったから。
だけど、この前の夏休みはどこか違った。
長い休みはコレまでに、夏休み、冬休み、春休みそして、夏休みと四回経験してきたのだけど。賢二は今まで以上に「どこかへ行こう。」とか「明日会おう」とか誘ってくるのが多かった。
二人が付き合って、二回目夏休みだし。一回目は付き合い始めて間もなかったからということもあって。夏休みの間は、何も気にしたことがなかったけど。
夏休みが終わって、普通の日々に戻ってみて。志保は、なんだか今さらだけどどこか何か引っかかるものを感じていた。
賢二は、何か思いついたように、ニヤリと笑った。
みんなと一緒でもいい。とにかく、賢二と同じ時間を共有する。
仲間達は、暗黙の了解でいつも集まってくる。そこの中に賢二も含まれていて、特に約束をしていなくても、賢二と会えた。
二人が約束をするのは、夏休みとか大学に来なくていい時くらいだった。
毎日、いつも賢二と一緒にいる志保に、ゼミの先輩やいつも集まる仲間達以外の友達はきまって、「束縛しすぎじゃない?」だとか「束縛されて嫌にならない?」と聞いてくるのだけど、志保は全くそうやって聞かれる意味がわからなかった。
毎日一緒にいても、それは自然に遭遇することがほとんどで、約束でもなんでもない。友達通しいつの間にか習慣になっていることを授業に出るのと同じように繰り返していただけだったから。
だけど、この前の夏休みはどこか違った。
長い休みはコレまでに、夏休み、冬休み、春休みそして、夏休みと四回経験してきたのだけど。賢二は今まで以上に「どこかへ行こう。」とか「明日会おう」とか誘ってくるのが多かった。
二人が付き合って、二回目夏休みだし。一回目は付き合い始めて間もなかったからということもあって。夏休みの間は、何も気にしたことがなかったけど。
夏休みが終わって、普通の日々に戻ってみて。志保は、なんだか今さらだけどどこか何か引っかかるものを感じていた。
賢二は、何か思いついたように、ニヤリと笑った。
モンマルトルの丘 [モンマルトルの丘]
僕は一人で、狭い路地の階段を上っている。
季節は冬なのに、熱い。
運動不足がたたったのか、それとも、落ち着かない気持ちが熱くさせるのか。
僕は一人、モンマルトルの丘を登る。
丘の上を目指す。それは変わらないけれど、僕の心は、気持ちは何度もぐらぐらと揺れた。
「くっそ。」
吐き出した息とともに、つい言葉が漏れて、すうっと、パリの空に吸い込まれていった。
彼は自分でも、何に対してそういったのかわからなかった。
言ったのか、それすらわからないくらいで。息についでに漏れ出た言葉だった。
たいしたことないと、登り始めた階段に、こんなに疲れていること。
体力には自信のあったはずの自分が、たかが階段で疲れていることが、まず腹立たしかった。
それに、ホテルを出たときは、身を切るような寒さだったのに、今はその厚着のせいで自分が苦しんでいること。
季節は冬なのに、熱い。
運動不足がたたったのか、それとも、落ち着かない気持ちが熱くさせるのか。
僕は一人、モンマルトルの丘を登る。
丘の上を目指す。それは変わらないけれど、僕の心は、気持ちは何度もぐらぐらと揺れた。
「くっそ。」
吐き出した息とともに、つい言葉が漏れて、すうっと、パリの空に吸い込まれていった。
彼は自分でも、何に対してそういったのかわからなかった。
言ったのか、それすらわからないくらいで。息についでに漏れ出た言葉だった。
たいしたことないと、登り始めた階段に、こんなに疲れていること。
体力には自信のあったはずの自分が、たかが階段で疲れていることが、まず腹立たしかった。
それに、ホテルを出たときは、身を切るような寒さだったのに、今はその厚着のせいで自分が苦しんでいること。
station-5 [station(短編)]
はじめから読む
そう。いつものパターン。
周りのみんなもそう思っていて。誰も何も言わない。
「またやってるよ。あの二人は」きっとそれくらいしか思っていない。
はじめのうちは、志保の取る行動がみんなの目には意外で二人の成り行きを面白がって見ていたのだけど、最近は本当に、いつものことで、空気のようになっていた。
志保は、心の奥底で、いつか賢二とのこんなじゃれあいもなくなってしまう日が来てしまうのではないかと、怯えていた。賢二が志保に対して態度をかえるのではなくて。
志保は、自分が賢二に冷たくしてしまうのではないかと、怖かった。
「で、そういう・・・は、ちゃんと考えたりしてるの?」
志保と、賢二が一騒動終えた間にも、仲間達の会話は進んでいた。
それを志保は、降参という言葉からは、無縁のような笑みを浮かべている賢二の顔を見ながら聞いていた。
そんな賢二の顔を見つめながら、自然と自分の顔も笑顔になっていくのを感じていた。
志保は、今の自分にとって何が一番幸せなのか、感じていた。間違いなく、賢二と一緒にいることが幸せだと確信していた。
そう。いつものパターン。
周りのみんなもそう思っていて。誰も何も言わない。
「またやってるよ。あの二人は」きっとそれくらいしか思っていない。
はじめのうちは、志保の取る行動がみんなの目には意外で二人の成り行きを面白がって見ていたのだけど、最近は本当に、いつものことで、空気のようになっていた。
志保は、心の奥底で、いつか賢二とのこんなじゃれあいもなくなってしまう日が来てしまうのではないかと、怯えていた。賢二が志保に対して態度をかえるのではなくて。
志保は、自分が賢二に冷たくしてしまうのではないかと、怖かった。
「で、そういう・・・は、ちゃんと考えたりしてるの?」
志保と、賢二が一騒動終えた間にも、仲間達の会話は進んでいた。
それを志保は、降参という言葉からは、無縁のような笑みを浮かべている賢二の顔を見ながら聞いていた。
そんな賢二の顔を見つめながら、自然と自分の顔も笑顔になっていくのを感じていた。
志保は、今の自分にとって何が一番幸せなのか、感じていた。間違いなく、賢二と一緒にいることが幸せだと確信していた。
タグ:自作小説
station-4 [station(短編)]
はじめから読む
「そーんな、驚くなって。」
志保の一声に、賢二はなだめるようにゆっくりと言葉を返した。
そして、覗き込むように、顔を志保の前に近づけた。
「驚くわっ。さっきまで普通の距離だったのに。ってもうっ。離れろ。」
そういって志保は、顔をぐっと賢二から背けた。
「なに。もういいじゃん。しーほ。こっち向いてよ。」
賢二は、そういって志保に絡みつく。周りに仲間達がいるのもお構いなしで。志保はそれを賢二の機嫌を損ねないギリギリのところで抵抗する。
べつに、志保は、賢二が嫌なわけではない。志保と賢二は、付き合って一年になる。それを隠しているわけでもない。ここにいる仲間達は、もちろん二人の関係を知っている。というか、焚きつけた張本人たちだし。
志保と賢二が名前も顔も知らない人たちも、二人の事は知っているくらい仲が良いと評判のカップルだった。そしてその評判の通り二人は仲が良い。
でも、志保は賢二のいちゃつきを抵抗する。時に力さえ使う。
絡み付いた賢二は、イスの背に回していた手を志保へと回した。
「なーにしてるのかな。賢二君。」
すぐさま志保は、抵抗して握っていたスプーンの頭の部分を、賢二の手の甲にグリグリと押し付けた。
「いたたた。志保。それは勘弁。」
痛みに耐えられず、賢二はパッと志保に回していた手をひいて、降参という意味を込めて自分の顔の横に手の平をあげた。
いつものパターンだ。
「そーんな、驚くなって。」
志保の一声に、賢二はなだめるようにゆっくりと言葉を返した。
そして、覗き込むように、顔を志保の前に近づけた。
「驚くわっ。さっきまで普通の距離だったのに。ってもうっ。離れろ。」
そういって志保は、顔をぐっと賢二から背けた。
「なに。もういいじゃん。しーほ。こっち向いてよ。」
賢二は、そういって志保に絡みつく。周りに仲間達がいるのもお構いなしで。志保はそれを賢二の機嫌を損ねないギリギリのところで抵抗する。
べつに、志保は、賢二が嫌なわけではない。志保と賢二は、付き合って一年になる。それを隠しているわけでもない。ここにいる仲間達は、もちろん二人の関係を知っている。というか、焚きつけた張本人たちだし。
志保と賢二が名前も顔も知らない人たちも、二人の事は知っているくらい仲が良いと評判のカップルだった。そしてその評判の通り二人は仲が良い。
でも、志保は賢二のいちゃつきを抵抗する。時に力さえ使う。
絡み付いた賢二は、イスの背に回していた手を志保へと回した。
「なーにしてるのかな。賢二君。」
すぐさま志保は、抵抗して握っていたスプーンの頭の部分を、賢二の手の甲にグリグリと押し付けた。
「いたたた。志保。それは勘弁。」
痛みに耐えられず、賢二はパッと志保に回していた手をひいて、降参という意味を込めて自分の顔の横に手の平をあげた。
いつものパターンだ。
タグ:自作小説
station [案内&はじめに]
shortにある、「station」について。
携帯サイト(携帯小説)においてあるものを加筆移中。
おそらく。。。。10回を越えるぶつ切りになると思う。
(そのときは、カテゴリつくるかも。)
~~~~~
ジャンル・青春?、恋愛
(私としては、型にはめたくない。)
志保・・・大学四年。
賢二・・・志保の彼。
増井・・・賢二の高校時代からの友人。
携帯サイト(携帯小説)においてあるものを加筆移中。
おそらく。。。。10回を越えるぶつ切りになると思う。
(そのときは、カテゴリつくるかも。)
~~~~~
ジャンル・青春?、恋愛
(私としては、型にはめたくない。)
志保・・・大学四年。
賢二・・・志保の彼。
増井・・・賢二の高校時代からの友人。
station-3 [station(短編)]
はじめから読む
嫌なこと、悪いことは、突然にやってくるから嫌なことなんだ。一年くらい前。志保はそう学んだ。まぁ。反対の良いこと、幸せなことも、嫌なこと、悪いことと同じように突然にやってくるのだけれども。
だからといって、あの時、前からわかっていれば、少しは変わったんだろうか。何度も、振り返ってそう考えてみるけど、志保には何の慰めにもならなかった。ただ、自分を余計苦しめるだけだった。
「ああ。俺は、来年イギリス行くから。」
志保は、この言葉を忘れない。忘れることができない。
でも、この言葉がどんな状況で言われて、そのとき自分がどうしたかは、あまり記憶に残っていなかった。覚えていないんじゃなくて、もしかしたら覚えていたくなくて、記憶から消したのかもしれない。
一年ちょっと前のこと。
後期の授業が始まって、二週間くらいが過ぎていた。それぞれが、前期の失敗、反省を胸に張り切っていたのもつかの間。
すっかり楽することを覚えてしまった三年目には、張り切ることはつらく、いつもの仲間六人とそろって「次はサボろう」と決めてゆっくりお昼ごはんを食べて、さらに誰かがスナック菓子をテーブルに広げたときだった。
「そういえば、掲示板見た?」
面倒そうな口ぶりで、誰かが、誰にともなく聞いた。
「え?なんかあった?」
「就職ガイダンスの案内出てたでしょ。」
話題に食いついた返答に、すぐさま変わらず面倒な口調で応える。
「ああ。そういえば出てたね。掲示板だけじゃなくて、ご丁寧についたてまで出てた。」
今度は、また別の誰かが、会話に入っていく。
「なんかさ。俺らも、ついに将来とか考えなきゃいけないって思うと、つらいよね。」
志保はそれをデザートのミルクプリンをつつきながら聞いていた。
近頃は、志保から会話を切り出すことは少なく、会話に入ることもなくて、聞き役に回ることが多かった。べつに、仲間達と合わないわけではない。
隣に賢二がいるときは、志保は彼の行動を制すために会話に夢中になるわけにはいかないのだ。
「しーほ。俺にもプリン分けて。」
志保は、賢二の声の近さにビクりとした。
円テーブルを囲んでいて、隣に座ってる賢二とは、結構距離が開いていたはずなのに、いつの間にかべったりな位置にいるらしい。志保は、賢二との距離を確認するために、賢二の方に首を向けた。
「ちかっ・・・」
賢二との距離を確認した志保は、思わずあまりの近さに声に出さずにはいられなかった。賢二の顔はすぐ横にあって、そうしている間にも、賢二の腕は志保の座っているイスの背もたれに回されていた。
嫌なこと、悪いことは、突然にやってくるから嫌なことなんだ。一年くらい前。志保はそう学んだ。まぁ。反対の良いこと、幸せなことも、嫌なこと、悪いことと同じように突然にやってくるのだけれども。
だからといって、あの時、前からわかっていれば、少しは変わったんだろうか。何度も、振り返ってそう考えてみるけど、志保には何の慰めにもならなかった。ただ、自分を余計苦しめるだけだった。
「ああ。俺は、来年イギリス行くから。」
志保は、この言葉を忘れない。忘れることができない。
でも、この言葉がどんな状況で言われて、そのとき自分がどうしたかは、あまり記憶に残っていなかった。覚えていないんじゃなくて、もしかしたら覚えていたくなくて、記憶から消したのかもしれない。
一年ちょっと前のこと。
後期の授業が始まって、二週間くらいが過ぎていた。それぞれが、前期の失敗、反省を胸に張り切っていたのもつかの間。
すっかり楽することを覚えてしまった三年目には、張り切ることはつらく、いつもの仲間六人とそろって「次はサボろう」と決めてゆっくりお昼ごはんを食べて、さらに誰かがスナック菓子をテーブルに広げたときだった。
「そういえば、掲示板見た?」
面倒そうな口ぶりで、誰かが、誰にともなく聞いた。
「え?なんかあった?」
「就職ガイダンスの案内出てたでしょ。」
話題に食いついた返答に、すぐさま変わらず面倒な口調で応える。
「ああ。そういえば出てたね。掲示板だけじゃなくて、ご丁寧についたてまで出てた。」
今度は、また別の誰かが、会話に入っていく。
「なんかさ。俺らも、ついに将来とか考えなきゃいけないって思うと、つらいよね。」
志保はそれをデザートのミルクプリンをつつきながら聞いていた。
近頃は、志保から会話を切り出すことは少なく、会話に入ることもなくて、聞き役に回ることが多かった。べつに、仲間達と合わないわけではない。
隣に賢二がいるときは、志保は彼の行動を制すために会話に夢中になるわけにはいかないのだ。
「しーほ。俺にもプリン分けて。」
志保は、賢二の声の近さにビクりとした。
円テーブルを囲んでいて、隣に座ってる賢二とは、結構距離が開いていたはずなのに、いつの間にかべったりな位置にいるらしい。志保は、賢二との距離を確認するために、賢二の方に首を向けた。
「ちかっ・・・」
賢二との距離を確認した志保は、思わずあまりの近さに声に出さずにはいられなかった。賢二の顔はすぐ横にあって、そうしている間にも、賢二の腕は志保の座っているイスの背もたれに回されていた。
タグ:自作小説
shadow [renzi-恋詩]
振り切っても 振り切れない
忘れようと心に決めて
眠りについても
朝起きればまた
懲りずに君のこと考えてる
明日こそ 君なしで
生きようと心に決めても
太陽が 心の奥を照らし出して
君がまた姿をあらわし
影をちらつかせる
振り切っても
振り切っても 振り切れない
まるで影のような
君の存在
忘れようと心に決めて
眠りについても
朝起きればまた
懲りずに君のこと考えてる
明日こそ 君なしで
生きようと心に決めても
太陽が 心の奥を照らし出して
君がまた姿をあらわし
影をちらつかせる
振り切っても
振り切っても 振り切れない
まるで影のような
君の存在
タグ:自作詩
station-2 [station(短編)]
はじめから読む
大学四年の秋にもなると、単位も取り終わり学校に来る回数は極端に減った。
志保も、時間割は仲間との情報交換もかねた最小限に抑えて、自由な時間を作っていた。だから最近は、授業のない曜日に出てくると親しい友人にも会う事もない。
自分の自由な時間も、期限付きで、友達との時間も期限付き。
大学生という身分の期限が迫っている。
賑やかな学内を一人で歩いていると、普段は考えもしないのに、突然そう思うと、心から、離れなかった。
志保を取りまく全てのものに期限があって、何もかも全て、自分自身も終わってしまうそんな気がしてならなかった。
いつもは、残された時間を惜しむことなく、春からの社会人としての生活が楽しみで仕方なかった。志保は一年前に自分の学生生活は終わったのだと、言い聞かせていたからこそ、春を心待ちにしていたのに。
ほんの一瞬のことかも知れないけれど、学生生活に未練を感じている自分が、志保は許せなかった。
大学四年の秋にもなると、単位も取り終わり学校に来る回数は極端に減った。
志保も、時間割は仲間との情報交換もかねた最小限に抑えて、自由な時間を作っていた。だから最近は、授業のない曜日に出てくると親しい友人にも会う事もない。
自分の自由な時間も、期限付きで、友達との時間も期限付き。
大学生という身分の期限が迫っている。
賑やかな学内を一人で歩いていると、普段は考えもしないのに、突然そう思うと、心から、離れなかった。
志保を取りまく全てのものに期限があって、何もかも全て、自分自身も終わってしまうそんな気がしてならなかった。
いつもは、残された時間を惜しむことなく、春からの社会人としての生活が楽しみで仕方なかった。志保は一年前に自分の学生生活は終わったのだと、言い聞かせていたからこそ、春を心待ちにしていたのに。
ほんの一瞬のことかも知れないけれど、学生生活に未練を感じている自分が、志保は許せなかった。
タグ:自作小説
案内・・・というか目標。 [案内&はじめに]
カテゴリ区分についての説明
《short》
短いと思われそうな、話をここに分類
《Murmure》
つぶやき・・・携帯から突発的に入れる文章
《short》
短いと思われそうな、話をここに分類
《Murmure》
つぶやき・・・携帯から突発的に入れる文章
station-1 [station(短編)]
秋の夕方は、ひんやりとして気持ちがいい。
高架のぷラットホームに吹く風は涼しくて、志保は一人ホームの端でフェンスに寄りかかって風を浴びていた。
そこは、ひとけのないホームでさらに孤独を求めてたどり着いた場所だった。
久しぶりに一人で歩いた大学内は、学際を前にした賑やかさでいつも似ましてふわふわとした空気が漂っていた。
だけど志保には、重々しい空気が絡み付いていた。そのせいで、三年半確かに通った場所のはずなのに、自分の全く知らない場所に居るような気がして、落ち着かなかった。
用事を済ませると、志保は逃げるように大学を後にした。
そして、今こうして一人駅のホームで風を浴びていた。
高架のぷラットホームに吹く風は涼しくて、志保は一人ホームの端でフェンスに寄りかかって風を浴びていた。
そこは、ひとけのないホームでさらに孤独を求めてたどり着いた場所だった。
久しぶりに一人で歩いた大学内は、学際を前にした賑やかさでいつも似ましてふわふわとした空気が漂っていた。
だけど志保には、重々しい空気が絡み付いていた。そのせいで、三年半確かに通った場所のはずなのに、自分の全く知らない場所に居るような気がして、落ち着かなかった。
用事を済ませると、志保は逃げるように大学を後にした。
そして、今こうして一人駅のホームで風を浴びていた。