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station-11 [station(短編)]

はじめから読む

 見慣れてる光景。
ホントは、新鮮さなんて微塵もなくて。だけど何の疑問もなく、みんなで笑いあう。
何で笑ってたんだろう。
あの時は、思いもしなかった。
考えもしなかった。
だからといって、あのときの気持ちなんて覚えていない。
でも、一つ。確かなこと。みんなと一緒にいられることが楽しかった。
賢二と二人もいいけど。みんなと一緒にいられることが。

「なー。賢二。そんな可哀想な俺でも、モテる仕事ってあると思う?」
「くっ。アッちゃんまだそんなこと言ってんの?さっきもあれだけみんなで言ってあげたじゃない。」
裕美が笑い飛ばす。
「えー。だって。賢二は絶対、聞いてなかったし。」

 賢二と志保がプリンをめぐって戯れてる間。他のみんなは、ちゃんとかどうかは怪しいけれど、就職活動の話をしていたらしい。

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